白昼夢

齢34歳にもなると年下の人から人生の進路相談とかを受ける機会が、本当にたまにですが、あるんですよね。

僕自身が超絶怒涛の零細企業経営者なので「独立しようかと…」とか「将来的には起業も考えてて」とかそんなかんじのニュアンスの相談が多いんですけど大体セットで「でもやりたいこととか夢とかないんスよねぇ…」という話がセットで出てきたりします。

そういう話になると「アレ?この人もしかして『夢にときめけ!明日にきらめけ!』的なモチベーションで俺氏が生きてると誤解してる?」と感じるので「いや俺もそういうの全くないよ」という話をすると「え!じゃあなんで会社やってんですか!?」という流れに大体なるので今回は「夢」の話です。

ここで言う夢と言うのは辞書的な意味で言うと「将来実現させたいと思っている事柄」という内容になるかと思うんですけど子供に聞くと「プロ野球選手!」とか返ってくるやつですね。

僕に夢があるかないかで言うと正確に言うとあるんですけどズバリ「働きたくない」というやつですね。

そういう回答すると「なるほど、だから今のうちから会社経営をして仕組み作りを~」みたいな流れになるんですけどもう全然そういう仕組みとか資産形成とか不労所得とか頭いい感じの話じゃなくもっと全然頭悪い感じの大学生の「バイト行くのだるいわ~」というレベルの「働きたくない」ですね。

だからなんて言うんでしょうか?「永遠の有給休暇」かな?「夢は『永遠の有給休暇』です。」ってちょっとかっこいい気がする。

まあないですよね。そんなものは。なので僕の夢は特にないです。

 

さて話は戻しますがこの「夢(やりたいこと)至上主義」みたいな考え方ってけっこう一般的ですよね。なんなら会社の面接とかでも聞かれますし。

余談ですが面接とかでこういう質問が出た時に逆質問で面接官に「今の会社にいるのは夢が叶っているということですか?」って聞いてしまう人は社会性は低いと思いますが良い飲み仲間にはなれると思いますあくまで個人的な話ですが。

僕個人で夢を持つことがいいか悪いかで言うと別にどっちでもいいんじゃない?という感覚でして何より夢があるというのはうらやましいですよね。ただまあ大人ですからね。「プロ野球選手!」っつってドラフト落ちたらどうすんだあと60年ぐらいあるぞというのが人生です。

なので最近思うんですけど夢問題に関しては議論を分割した方が良い気がするんですよね。どういうことかというと夢=将来実現させたいと思っている事柄であるならば

 

夢α=個人的に一生をかけて追い続けたい将来的な事柄

夢β=個人的に3~10年くらいで達成したい事柄

 

くらいに分けられるんじゃないでしょうか?

デカいのは当然夢αですしこれに他人が口をはさむ権利はないと思うんです。

一方仕事とか具体的な人生の指針になるのは夢βの方だと思っててこれはしっかりあった方がいいと思うんです。

よく相談受けるのは「夢αがないんです…」みたいな話だと思うんですけど夢βの場合「満員電車に乗りたくない」とか「今より広い家に引っ越したい」とかバンバン出てくると思うんです。

そういうバンバン出てくる夢βを達成するために転職するなり起業するなりを比較検討するとあんまり悩まなくていいんじゃないかなーというのが持論です。

夢αに関しては仕事と無理矢理結びつける必要がないというか個人で追い求めるものなので経済合理性と相反する気がするんですよね。

例えば「究極のマグロ握りを提供したい寿司職人」がいたとして握りに関しては極め切って次何やるか?って言ったらもうマグロ釣りに行くしかないですよね。なんせ究極ですから。それで店締めて海に漁に出てついに究極のマグロを釣り上げたと。自身の極め切った腕と究極の素材を前についにでますよ…夢のマグロが…

 

「究極のマグロ握りお待ち!一人前100万円です!」

 

こうなりますよね。

船代とか人件費とか店やってない間の家賃とか会計にのりますからね。

営業は半年に一回くらいでしょうか?ギャンブルすぎる…

というわけであんまり夢とか現時点で無理に考えすぎずじっくり考えるなり叶えたりしたらよいんじゃないですかねという持論でした。

ちなみに「究極のマグロ」に関しては完全に趣味でやる分にはめちゃくちゃ楽しいと思います。

一方僕ですがこんだけ言っておいて夢βはけっこうあるんですよね。色々手がけたい仕事とかあるし。そういう意味だと会社を経営していてよかったなと思うことは正直多いです。